生産牧場から育成牧場を経て、トレセンへ
レースに出走する競走馬は、生まれてすぐに、美浦、栗東のトレーニングセンターに来るわけではありません。まずは牧場で、競走馬になるための訓練である「順致(じゅんち)」と呼ばれるものを行います。
馴致とは、競走に必要となる「鞍」と「ハミ」といった馬具を装着することに慣れさせる訓練です。その後、人の指示に従って、走ったり、止まったりすることを覚えます。これらを当歳(人間でいう0歳)や1歳の時点で行います。今から何十年も前は、馴致も各トレーニングセンターで行っていたそうですが、現在では、の苦情で行ってくれるようになっています。
そして、1歳の秋くらいになると、育成牧場と呼ばれる、ほぼトレーニングセンターと同様の調教施設で本格的な調教を行います、いろんな調教師にお話を聞いても、この時点での調教はかなり重要になると言います。複数回の優勝があるのは、有名な牧場(ノーザンファーム・社台ファーム・出口牧場・社台c白老ファーム)ですが、その半数以上を占めているのが「社台グループ」、GI勝ちの半数を占めています。
生産牧場と育成牧場は別々の施設だと思われるかも知れませんが、育成技術のある牧場、または同じグループの場合は、連携を取っていると考えていいと思います。
牧場から各トレーニングセンターへ入厩する時期は様々ですが、調教師が牧場で馬の状態を観察し、その様子から今後の調教方針などを牧場関係者と話し合い、適切な状態になった時点での入厩となります。