強い調教ができる馬はしっかり食べている
「飼葉」とは、競走馬の食事の名称ですが、その中身にどのようなものが入っているかご存知ですか?
馬は草食動物だから「草でしょ」と思われるでしょう。もちろん、草は飼葉の一種類ですが、それだけではありません。主食になるのは「燕麦(えんぱく)」と呼ばれる穀類。競走馬のように、激しい運動(調教やレース)が課せられると、放牧だけでは、十分なカロリーを摂取することができないので、脂質の多い燕麦が主食になります。
調教師によて様々だとは思いますが、ここでは一例を紹介します。馬によって、飼葉に入る内容物は違ってきますが、燕麦と配合飼料は必ず入るようで。また、その分量も馬の体調を見ながら決めていくようですが、一食で何万カロリーというエネルギーを摂取しています。なお、配合飼料とは、放牧や燕麦などの自然飼料では不足しやすいミネラルとビタミンをバランスよく添加した飼料のことです。
飼葉は調教と同様、馬の調子に大きく関係します。強い調教を課していくと、体力を消耗し、精神的な疲労も蓄積します。それをしっかり飼葉を食べることで、再び調教を積める状態に戻し、さらに強い調教を課す。この繰り返しが、レースへ向けて、馬を仕上げていくことになります。しかし、調教がきつくて、飼葉を食べなくなる馬もいます。特に牝馬の場合、しんどくて、飼葉どころではないとという場合があります。そうなると強い調教を課すことができず、馬を仕上げることはできません。飼葉をしっかり食べることは、馬が強くなる必須要素なのです。